2026年1月1日施行「改正下請法」—その背景と基本ポイント
原材料費・エネルギー費・人件費の高騰により、十分な価格協議がないまま据え置かれる取引が各所で発生してきました。
発注者・受注者が対等に交渉できる取引環境を整えるため、2026年1月1日から改正下請法が施行されます。
目次
- 改正の背景と趣旨
- 中小企業を取り巻く環境変化
- 改正下請法の全体像(3つの柱)
改正の背景と趣旨
コスト上昇局面でも適切な価格転嫁を実現し、受注者の利益を不当に害する一方的決定を抑止することが中心課題です。
今回の改正は、単に罰するのではなく、健全な価格協議の定着を目指しています。
中小企業を取り巻く環境変化
- コスト上昇圧力:労務費・原材料・エネルギーの上昇が継続。
- 価格転嫁率の低さ:多段階サプライチェーンほど転嫁が遅れがち。
- 物流現場の課題:荷待ち・荷役の無償強要などの不公正慣行。
改正下請法の全体像(3つの柱)
- 価格交渉ルールの明確化:協議に応じない・説明しないままの一方的価格決定を禁止。
- 支払手段の健全化:手形払いを禁止。満額受領困難な手段も制限。
- 対象取引の拡大:運送委託を追加し、従業員数基準も導入。
まとめ
改正下請法は「守る法律」から交渉の武器へ。次回は経営者が押さえるべき条文ポイントを具体的に解説します。