形骸化すると起きる“あるある事故”3選(そして防ぎ方)
はじめに
「うちは小さいから、なんとかなる」
この言葉は、平時は優しさになります。でも緊急時は、判断を遅らせる毒になることがあります。
中小企業は意思決定が速い一方で、頼れる人や代替が少ない。
だから、形骸化のダメージが大きいんです。
あるある事故①:連絡先が古くて連絡がつかない
緊急時に最初に必要なのは、才能でも根性でもなく連絡です。
連絡網が古いと、初動が止まります。
防ぎ方(1分)
- 連絡先の最終更新日を記入する
- 退職・外注変更・取引先変更があったら、その場で更新する
連絡がつかない時間は、そのまま売上・信用の損失に直結します。
「更新の手間」より「止まる損失」のほうが大きい場面が多いです。
あるある事故②:優先順位が決まっておらず、全員がバラバラに動く
「全部大事」は、緊急時には「何も決まっていない」と同じです。
優先順位がないと、たとえば…
- 現場は復旧を急ぐ
- 事務は請求を優先する
- 経営者は顧客対応に追われる
このように動きが分散して、統一した判断ができません。
防ぎ方(3分)
- “止めない仕事TOP3”をもう一度決める
- それ以外は「後回し」と明記する(勇気が要るけど、これが効く)
「後回し」を決めるのは冷たさではなく、守るものを守るための優しさです。
緊急時は、選ばないと守れません。
あるある事故③:代替手段が机上で終わる
「クラウドに入ってます」→ログインできない
「在宅でできます」→VPNや権限がない
この“机上の代替”は、かなり多いです。
書いてあるのに使えないと、緊急時に二重で焦ります。
防ぎ方(5分)
- 今日、実際にログインしてみる
- 予備の手段(スマホテザリングなど)で接続してみる
- できなかったら、そこが改善ポイント
ポイントは「本番で初めて触らない」ことです。
1回でも触っておくと、緊急時の恐怖が減ります。
今日からできる「1回10分の更新」テンプレ
- 連絡先:更新(1分)
- TOP3:確認(2分)
- 代替:1つ動作確認(5分)
- メモ:変わった点だけ追記(2分)
これで、BCPは「紙」から「武器」になります。
まとめ+要約
- 形骸化したBCPは、緊急時に初動を止める
- 事故の典型は「連絡先が古い」「優先順位がない」「代替が動かない」
- 1回10分の更新で、実務として回り始める
- 小規模ほど“動作確認”が効く
FAQ(3問)
- Q1. 訓練までやる余裕がありません。
- A. まずは「代替の動作確認」だけで十分です。ログイン確認は訓練の最小形です。
- Q2. 優先順位はどう決めれば?
- A. 「止まると売上・信用に直結するもの」から3つ。迷ったら“お金・顧客・法的期限”で考えます。
- Q3. 外注やフリーランスでも連絡網は必要?
- A. 必要です。取引先・協力者・家族まで含めた連絡ルートが現実的です。
記事・相談担当者:井浪(いなみ):Amazon/Kindle 著者ページ









