1. 2026年4月施行の改正物流効率化法とは?中小運送会社がまず知るべきこと

ブログ2026.04.29

2026年4月施行の改正物流効率化法とは?中小運送会社がまず知るべきこと

2026年4月施行の改正物流効率化法とは?中小運送会社がまず知るべきこと



2026年4月施行の改正物流効率化法とは?中小運送会社がまず知るべきこと





はじめに



「また新しい法律か」

「大手企業の話で、うちのような中小運送会社には関係ないのでは」



そう感じている方も多いかもしれません。



しかし、2026年4月1日から改正物流効率化法の新たな段階が始まり、一定規模以上の荷主・物流事業者には、中長期計画や定期報告などが義務付けられました。さらに、すべての荷主・物流事業者にも、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役時間の短縮といった取り組みが求められています。



つまりこれは、「大企業だけの制度」ではありません。



むしろ中小零細の運送会社ほど、早めに理解しておくことで、荷主との交渉、運賃の見直し、現場改善、ドライバー定着に活かせる可能性があります。



この記事では、まず改正物流効率化法の全体像を、難しい言葉をできるだけ使わずに整理します。







改正物流効率化法は何のための法律か



改正物流効率化法の目的を一言でいえば、「物流を止めないための法律」です。



背景には、トラックドライバーの長時間労働、担い手不足、荷待ち時間、非効率な荷役作業があります。



物流は、商品を運ぶだけの仕事ではありません。

食品、日用品、工業製品、建設資材、医療品など、社会のあらゆるものを動かしています。



ところが、何も対策をしなければ、将来的に必要な輸送力が足りなくなる可能性があると指摘されています。厚生労働省の物流情報局でも、対策を講じなければ2030年には34%の輸送力が不足する可能性があると示されています。



つまり、改正物流効率化法は、運送会社だけを縛るためのものではありません。



荷主、倉庫、運送会社、元請け、下請け、そして社会全体で、

「無理な物流のやり方を変えていきましょう」

という流れを作るための法律です。





2026年4月から何が変わったのか



2025年度から、すべての荷主・物流事業者には、物流効率化に向けた努力義務が始まっています。



主な取り組みは次の3つです。



1つ目は、積載効率の向上です



トラックに積める量をできるだけ有効に使い、空きスペースや無駄な便を減らす取り組みです。



2つ目は、荷待ち時間の短縮です



ドライバーが現場に到着してから、荷積み・荷卸しが始まるまでの待ち時間を短くすることです。



3つ目は、荷役等時間の短縮です



荷積み、荷卸し、検品、伝票処理、ラベル貼りなど、運転以外にかかる時間を減らすことです。



国土交通省のポータルサイトでは、2025年度からすべての荷主・物流事業者に努力義務が課され、2026年度からは一定規模以上の特定事業者に中長期計画や定期報告などが義務付けられると説明されています。



2026年4月から大きく変わった点は、一定規模以上の事業者に対して、より具体的な義務が始まったことです。



対象となる事業者は、特定荷主、特定連鎖化事業者、特定貨物自動車運送事業者等、特定倉庫業者などに指定され、中長期計画の作成、定期報告などが求められます。特定荷主や特定連鎖化事業者には、物流統括管理者の選任も義務付けられます。





中小運送会社にも関係する理由



「うちは特定事業者ではないから関係ない」と考えるのは、少し危険です。



なぜなら、法律の直接対象が大手荷主や大規模物流事業者だったとしても、その影響は取引先全体に広がっていくからです。



たとえば、大手荷主が定期報告をするためには、荷待ち時間や荷役時間を把握する必要があります。すると、運送会社にも時間記録の協力を求める可能性があります。



また、積載効率を上げるために、納品回数、納品時間、混載、共同配送、パレット化などの相談が増えるかもしれません。



これは、中小運送会社にとって負担にもなります。

しかし同時に、今まで言いづらかった現場の問題を、荷主に伝えるチャンスにもなります。



たとえば、



「毎回2時間以上待機しています」

「検品作業までドライバーが行っています」

「時間指定が厳しすぎて配車効率が落ちています」

「パレット化できれば荷役時間を減らせます」



こうしたことを、ただの不満ではなく、法律の流れに沿った改善提案として伝えられるようになります。





まず確認すべき3つのポイント



中小運送会社が最初にやるべきことは、大きなシステム導入ではありません。



まずは、現場の実態を見えるようにすることです。



1. 荷待ち時間を記録する



どの荷主で、どの場所で、どれくらい待っているのか。

これを記録するだけでも、改善の第一歩になります。



「なんとなく長い」では、荷主に伝わりません。



しかし、

「A社のBセンターでは、過去1か月で平均90分の荷待ちが発生しています」

と言えれば、話し合いの土台ができます。



2. 荷役作業の内容を整理する



ドライバーが実際に何をしているのかを確認します。



荷積み、荷卸し、検品、仕分け、棚入れ、ラベル貼り、伝票処理。

これらが運賃に含まれているのか、別料金なのか、契約上あいまいなままになっている会社も少なくありません。



改正物流効率化法の流れでは、荷役等時間の短縮が重要なテーマです。厚生労働省の物流情報局でも、パレット等の導入、検品の効率化、荷捌き場の確保、フォークリフトや荷役作業員の配置などが取組例として示されています。



3. 荷主との話し合いの材料を作る



法律が変わったからといって、すぐに現場が変わるわけではありません。



必要なのは、荷主と話し合う材料です。



「この時間を減らせば、ドライバーの拘束時間が減ります」

「この作業を分ければ、安全性が上がります」

「納品時間を少し広げてもらえれば、配車効率が良くなります」



このように、相手にもメリットがある形で伝えることが大切です。





今日から始める小さな準備



まずは、次の3つだけでも始めてください。



1つ目は、荷待ち時間を記録すること。

2つ目は、ドライバーが行っている荷役作業を書き出すこと。

3つ目は、改善を相談したい荷主を3社選ぶこと。



大切なのは、完璧な資料を作ることではありません。



「うちの現場では、何が負担になっているのか」

「どこを変えれば、ドライバーも会社も楽になるのか」

これを見えるようにすることです。



法律対応は、守りの仕事に見えます。



しかし、見方を変えると、

今まで現場が抱えていた無理を、取引先と一緒に見直すきっかけになります。





まとめ+要約



2026年4月から、改正物流効率化法は新たな段階に入りました。



一定規模以上の荷主・物流事業者には、中長期計画や定期報告などが義務付けられています。すべての荷主・物流事業者にも、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役時間の短縮が求められています。



中小運送会社にとって大切なのは、「自社は対象外かどうか」だけを見ることではありません。



取引先の対応に合わせて、荷待ち時間や荷役作業の実態を見える化し、荷主との改善相談につなげることです。



まずは、現場の時間を記録する。

作業内容を整理する。

相談すべき荷主を決める。



ここから始めることで、法律対応は単なる負担ではなく、経営改善の入口になります。





FAQ



Q1. 中小運送会社も改正物流効率化法に対応する必要がありますか?



はい。直接的な義務の対象でない場合でも、すべての荷主・物流事業者には物流効率化への努力義務があります。また、取引先が特定事業者に該当する場合、時間記録や改善協議を求められる可能性があります。



Q2. 最初に何をすればよいですか?



まずは荷待ち時間、荷役時間、ドライバーが行っている作業内容を記録してください。現場の実態が見えないと、荷主との交渉や改善提案が難しくなります。



Q3. システムを入れないと対応できませんか?



必ずしも最初から高額なシステムを入れる必要はありません。まずは紙、Excel、日報、スマートフォンのメモなどで記録を始めることが大切です。




記事・相談担当者:井浪(いなみ):Amazon/Kindle 著者ページ

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