法人向け2025.09.15
2026年施行「改正下請法」—経営者が押さえるべき主要改正ポイント

2026年施行「改正下請法」—経営者が押さえるべき主要改正ポイント
目次
- 協議を拒まない義務(価格交渉ルールの強化)
- 手形払いの禁止と資金繰りへの影響
- 運送委託の追加(物流取引の公正化)
- 従業員数基準の導入(対象拡大)
- 用語改正と意識の転換
1. 協議を拒まない義務
受注側が価格協議を求めたのに、発注側が応じない/説明をしないまま価格を一方的に決める行為を禁止。
交渉プロセスの適正さが問われるようになりました。
実務ポイント: 協議記録(議事メモ・メール)を体系的に保管。
2. 手形払いの禁止
手形サイトによる長期入金の商慣行を是正。電子記録債権やファクタリングも満額受領が困難なものは不可。
実務ポイント: 支払条件の条項更新/キャッシュフロー表の再設計。
3. 運送委託の追加
発荷主→元請運送事業者の委託が対象に。荷待ち・荷役の無償強要や一方的運賃決定に歯止め。
実務ポイント: 運送契約の適正化、現場の待機記録・荷役記録の整備。
4. 従業員数基準の導入
資本金に加え従業員数(製造等300人/役務等100人)の区分を新設。資本政策で適用外となっていた実態もカバー。
実務ポイント: 取引先の属性確認フローに「従業員数」を追加。
5. 用語改正と意識の転換
法令上、「下請/親事業者」は「中小受託事業者/委託事業者」へ。呼称の更新は、対等な関係構築の第一歩。
実務ポイント: 社内規程・テンプレ文言・帳票の用語を一括置換。
まとめ
- 価格交渉はプロセスの適正が肝。議事録を残す。
- 手形廃止で資金繰りは改善。支払条件の再設計を。
- 運送取引は現場記録で「見える化」。
- 従業員数基準で対象拡大。属性確認を更新。
- 用語改正で社内外コミュニケーションを刷新。
FAQ
Q1. 協議は口頭でも良い?
可ですが、後日の証拠性を考慮し、メールや議事録など文書化を推奨します。
Q2. 手形の経過措置は?
手形払い自体が認められない方向です。期日・支払条項の見直しを先行して準備してください。
Q3. 中堅企業間の取引でも影響する?
従業員数基準の導入により、資本金だけでは対象外だった関係にも影響が及ぶ可能性があります。
記事・相談担当者:井浪(いなみ):Amazon/Kindle 著者ページ
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