BCPとBCMの違いとは?計画だけでは足りない理由をやさしく解説
はじめに
「うちも一応、何かあったときのための紙はあります」
そう答える会社は少なくありません。
でも、本当に大事なのは、その紙があることではなく、その内容で実際に動けるかどうかです。
いざというとき、電話はつながるのか。担当者がいなくても動けるのか。いつ、どの仕事から復旧するのか。そこが曖昧だと、計画は“あるだけ”で終わってしまいます。
BCPとBCMを理解するうえで大切なのは、「作ること」よりも「回すこと」です。
1. 計画だけでは現場は動かない
災害や障害は、予定どおりには起きません。
そのため、分厚い資料があっても、現場で読んでいる時間はないことが多いです。
必要なのは、すぐに判断できる情報です。
たとえば、
- まず誰が指揮をとるのか
- 何を止めて、何を先に守るのか
- どの仕事を何日以内に戻したいのか
- 連絡先や代替手段は確保されているか
こうした要点がはっきりしていないと、計画はあるのに動けない、という状態になります。
2. BCMは“回し続ける”考え方
BCMは、BCPを作るだけでなく、見直し、共有、教育、訓練、改善まで含めて、会社の中で回し続けていく考え方です。
この考え方は、中小企業にとっても大切です。
なぜなら、会社は変わり続けるからです。
- 担当者が変わる
- 主要な取引先が変わる
- 使うシステムが変わる
- 商品やサービスの柱が変わる
一度作った計画を放置すると、半年後にはもう実態に合わなくなっていることもあります。
だからBCMでは、「作ったあとにどう回すか」が重要になります。
3. 会社に合わない計画が失敗しやすい理由
よくある失敗は、ひな形を埋めただけで終わってしまうことです。
もちろん、ひな形はとても便利です。けれども、自社の仕事の流れや人員体制に合っていなければ、実際には使えません。
つまり、大切なのは立派さではなく、自社で使えることです。
現場の人が見てすぐ動けるか。
役割分担が現実に合っているか。
いざというときの連絡方法や代替手段が、実際に使える状態か。
そうした視点で見直してはじめて、計画は意味を持ちます。
4. 現場で使える形にするコツ
現場で使えるBCP・BCMにするためには、次のように考えると進めやすくなります。
まず、「全部を守ろう」としないこと。
本当に止めたくない業務を絞ることが大切です。
次に、「理想」ではなく「現実」で考えること。
たとえば、3人で回している会社なら、災害時も3人そろう前提ではなく、1人でも最低限回せる形を考えたほうが役立ちます。
そして最後に、「一度試す」こと。
机上で完璧に見える計画も、声に出して確認するだけで抜け漏れが見つかります。
まとめ+要約
BCPは作るだけでは十分ではありません。
本当に役立つのは、会社の変化に合わせて見直し、共有し、試しながら育てていくことです。それがBCMの考え方です。
- BCPは緊急時の計画
- BCMは、計画を運用・見直し・改善していく考え方
- ひな形よりも、自社で使えることが大切
- 小さくてもよいので、見直しと確認を続けることが重要
FAQ
Q1. BCMは大企業だけの考え方ですか?
A. いいえ。会社の規模にかかわらず、自社に合う範囲で取り入えられる考え方です。小規模事業者でも、見直しや共有の仕組みを持つことは十分に意味があります。
Q2. BCPは一度作ったら終わりですか?
A. 終わりではありません。担当者や取引先、設備やシステムが変われば、計画も見直す必要があります。BCMはその見直しを継続するための考え方です。
Q3. 難しい仕組みを入れないと意味がありませんか?
A. その必要はありません。大切なのは、自社の実態に合わせて、現場で使える形にすることです。小さく始めて、少しずつ整えていく進め方で十分です。









