ジギョケイの次はBCPとBCMを考えるべき理由をわかりやすく解説
はじめに
「ジギョケイは作った。だからひとまず安心」と感じている方は多いかもしれません。
たしかに、はじめの一歩としてはとても大切です。
ただ、実際の現場では、書類を作っただけでは止められない問題があります。
たとえば、災害やシステム障害、取引先の急な停止、人手不足。そうした出来事が起きたときに、本当に事業を続けられるのか。そこまで考え始めたときに出てくるのが、BCPとBCMです。
ジギョケイをきっかけに、「では、自社は止まったときにどう動くのか」「どうやって立て直すのか」まで考えていく。
この発想の切り替えが、これからの経営ではとても重要になります。
1. ジギョケイだけでは足りないと感じる場面
ジギョケイは、防災・減災の事前対策を考えるうえで、とても取り組みやすい入口です。実際に中小企業庁も、事業継続力強化計画を「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけています。
ですが、現場ではこんな悩みが出てきます。
「何を優先して復旧するのか決めていない」
「担当者が休んだら回らない」
「取引先が止まったときの代替手段がない」
「訓練をしていないので、いざというときに動ける自信がない」
このように、書面に考えをまとめることと、実際に会社が動ける状態にしておくことの間には、意外と大きな差があります。
2. BCPとBCMは何が違うのか
まず、言葉をやさしく整理します。
BCPは、何か起きたときに「重要な仕事をなるべく止めず、止まっても早く戻すための計画」です。
一方でBCMは、その計画を作るだけでなく、見直し、教育、訓練、改善まで回していくための“経営の進め方”です。
つまり、こう考えるとわかりやすいです。
- BCP=いざというときの行動計画
- BCM=その計画を生きたものにしていく回し方
計画だけあっても、古くなれば役に立ちません。
逆に、毎年少しずつ見直し、社内で共有し、試していけば、現実に強い会社に近づいていきます。
3. 小さな会社こそ考えておきたい理由
中小企業や個人事業主にとって、事業停止の影響はとても大きいものです。
人が少ないからこそ、ひとり欠けるだけで回らなくなる。
取引先が限られているからこそ、ひとつ止まるだけで売上が大きく落ちる。
資金余力が大きくないからこそ、復旧が長引くと立て直しが難しくなる。
だからこそ、「大企業向けの難しい仕組み」と思って遠ざけるのではなく、小さく始めて、自社に合う形にすることが大切です。
4. 最初に持っておきたい視点
最初から完璧な計画を作る必要はありません。
まずは次の3つだけで十分です。
- 自社にとって止めたくない仕事は何か
- その仕事が止まる原因は何か
- 止まったとき、誰が何をするか
この3つが見えてくるだけでも、経営の安心感はかなり変わります。
「うちは小さいからまだ早い」ではなく、「小さいからこそ備える」が正しい順番です。
まとめ+要約
ジギョケイは、事業継続を考えるための大切な入口です。
ただ、その次の段階として、実際に事業を止めにくくする仕組みを考えるなら、BCPとBCMの視点が欠かせません。
- BCPは、緊急時の行動計画
- BCMは、その計画を回し続ける経営の仕組み
- 小さな会社ほど、止まったときの影響が大きい
- まずは「止めたくない仕事」「止まる原因」「動く人」を整理するところから始めればよい
FAQ
Q1. ジギョケイを作っていれば、BCPは不要ですか?
A. 不要ではありません。ジギョケイは始めやすい入口ですが、実際の優先業務や復旧手順、訓練や見直しまで考えるなら、BCPやBCMの視点が必要になります。
Q2. BCPと防災マニュアルは同じですか?
A. 同じではありません。防災マニュアルは安全確保に重きが置かれやすい一方で、BCPは重要業務をどう続けるか、どう戻すかまで考える計画です。
Q3. 小規模事業者でも取り組む意味はありますか?
A. あります。むしろ人や資金の余力が限られる小規模事業者ほど、止まったときの影響が大きいため、優先順位を決めて備える意味が大きいです。









