1. 中小企業の現実解—人件費を守りつつ「65歳まで」を回す設計図

ブログ2026.01.17

中小企業の現実解—人件費を守りつつ「65歳まで」を回す設計図

中小企業の現実解—人件費を守りつつ「65歳まで」を回す設計図






Day4:中小企業の現実解—人件費を守りつつ「65歳まで」を回す設計図






Day4:中小企業の現実解—人件費を守りつつ「65歳まで」を回す設計図





はじめに



中小企業の本音はこれです。

「制度は必要。でも、人件費が増え続けるのは無理。」



今日は、現実的に回る形を“型”として紹介します。







まず決めるのは「働き方の型」



いきなり金額を決めると揉めます。順番はこうです。



  1. 役割(何をしてもらうか)

  2. 働く日数・時間(どのくらい)

  3. 評価の見方(何を見て判断するか)

  4. 最後に報酬(お金)



この順番にすると、話が「お金」から始まらず、納得が作りやすくなります。

そして、現場も「どう任せればいいか」が見えるので、運用が回りやすくなります。



最初に作るとラクになる“1枚”



まずは、次の3つを1枚にまとめておくのがおすすめです。



  • 役割:何を担当するか(例:引き継ぎ、チェック、顧客対応など)

  • 働き方:週何日・何時間か(例:週3、1日6時間など)

  • 評価:何ができていればOKか(例:ミスを減らす、引き継ぎが進む等)



これがあるだけで、面談の質が上がり、説明のバラつきが減ります。





再雇用の代表的な3パターン(中小企業で現実的)



中小企業で回しやすいのは、「フルタイムで同じ仕事を続けてもらう」だけではなく、

役割を少し変えて、会社の負担を調整できる形です。



パターン①:週3〜4の時短+引き継ぎ役(教育・チェック中心)



若手が育っていない会社ほど効果が出やすい形です。

ベテランが“手を動かす”よりも、引き継ぎ・手順書・チェックに寄ると、全体のミスが減りやすくなります。



  • 向いている:業務が属人化している/新人が増えた

  • 注意点:引き継ぎの範囲を決めないと、全部抱えてしまう



パターン②:繁忙期スポット型(必要な時だけ頼れる)



忙しい時期にだけ来てもらう形です。

「常に雇う」ではなく「必要な時に頼る」ので、費用のコントロールがしやすいです。



  • 向いている:繁忙期がはっきりしている/一時的に人手が足りない

  • 注意点:スポットでも役割を明確に(何を任せるか)



パターン③:顧客対応・品質安定型(クレームを減らす役)



ベテランの強みが出やすいのが、顧客対応や品質の安定です。

若手がスピードで前に出て、ベテランが最後の安心を担うと、クレームや手戻りが減りやすいです。



  • 向いている:顧客との関係が重要/ミスがコストに直結する

  • 注意点:権限の範囲(どこまで判断できるか)を決める




なお、継続雇用制度(再雇用など)を採る場合、2025年4月以降は“希望者全員が対象”になる形が前提です。

「制度はあるけど、条件で落とす」運用が残っていると、トラブルになりやすいので注意しましょう。





賃金より揉める“評価”の整え方



よくある失敗は「何を評価するかが曖昧」なまま運用することです。

金額の話に目が行きがちですが、実は揉めやすいのは評価です。



簡単な評価の例(難しい言葉なし)



たとえば、次の3つに分けると、誰でも説明しやすくなります。



  • 守る:時間・ルール・報連相

  • 支える:後輩への引き継ぎ、ミスの予防

  • 良くする:ムダを減らす提案



“評価”を運用に落とすコツ



  • 評価項目は多くしない(3〜5個で十分)

  • 「できた/できていない」が見える言い方にする

  • 面談で毎回同じ項目を確認する(感覚で判断しない)




これだけでも、再雇用の条件が「上司の気分」に見えにくくなり、納得感が出やすくなります。





サラリーマン側の動き方/個人事業主のヒント



サラリーマン側の動き方



会社の制度が整うほど、個人側も「役割」を求められます。

だからこそ、次の2つを先に用意しておくと強いです。



  • 会社の制度を確認(就業規則・説明会)


  • 自分の強みを「役割」に落とす


    • 例:営業 → 既存顧客の安定、紹介づくり

    • 例:事務 → ミス削減、手順書づくり





「長く働きたいです」だけだと話が止まります。

「この役割で会社に貢献できます」と言えると、話が前に進みます。



個人事業主のヒント



企業がベテラン活用を進めると、外注の出し方が変わることがあります。

ただし、逆に外に出やすくなる仕事もあります。



たとえば、“引き継ぎ資料づくり”“教育”“仕組み化”は外部に出しやすい分野です。

ここを商品化しておくと、相談が増えたときに提案しやすくなります。





まとめ



  • 回る制度は「役割 → 時間 → 評価 → 報酬」の順で作る

  • 再雇用は“フルタイム継続”だけでなく、3つの型で回せる

  • 揉めやすいのは賃金より“評価”。シンプルに整える

  • 2025年4月以降の前提(希望者全員)に合わせて運用まで固める





FAQ



Q1. うちは就業規則が古い…まずどこを見る?



A. 定年・再雇用・更新手順・対象条件(限定が残っていないか)です。

特に「対象者を基準で限定していないか」は、2025年4月以降にズレが出やすいので最優先で確認しましょう。



Q2. 70歳までの雇用も義務?



A. ここで扱っているのは「65歳までの雇用確保」です(70歳は別枠の話になります)。

話が混ざると判断を誤りやすいので、まずは65歳までの設計を固めるのが安全です。



Q3. 相談窓口は?



A. 労働局やハローワークへの相談が案内されています。

「就業規則をどう直すか」「どう説明するか」で迷ったら、早めに外部へ相談するとスムーズです。









記事・相談担当者:井浪(いなみ):Amazon/Kindle 著者ページ

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