1. 取適法の“義務とNG”をやさしく:委託する側がやること・やってはいけないこと

ブログ2026.01.10

取適法の“義務とNG”をやさしく:委託する側がやること・やってはいけないこと

取適法の“義務とNG”をやさしく:委託する側がやること・やってはいけないこと






取適法の“義務とNG”をやさしく:委託する側がやること・やってはいけないこと





取適法の“義務とNG”をやさしく:委託する側がやること・やってはいけないこと



※本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際の対応は取引内容や契約状況で変わるため、
必要に応じて専門家へのご相談をご検討ください。





はじめに



取適法は「悪い会社を取り締まる」だけではなく、揉めやすいポイントを“先に型で防ぐ”ための法律です。

ここでは委託側(発注側)目線で、最低限押さえるべき義務とNGを、難しい言葉を避けて整理します。







委託側にある「4つの義務」



取適法では、委託事業者(発注側)に、取引を公正に進めるための基本ルールが求められます。

実務でまず押さえたいのは、次の4つです。



義務①:発注内容を明示する(発注書を出す)



「何を、いつまでに、いくらで、どう検収して、いつ払うか」を、相手に分かる形で示すことが大前提です。

紙の発注書に限らず、メールなどでも運用できます。大切なのは“あとで見返せる形で残す”ことです。



義務②:取引書類を作って保存する(2年)



発注・納品・検収・請求・支払いが追える書類(またはデータ)を作り、一定期間保存する考え方です。

「言った言わない」になったときに、双方が困らないためのルールだと捉えると分かりやすいです。



義務③:支払期日を定める(受領後60日以内が基本)



納品物を受け取った(または役務提供を受けた)あと、支払いまでの期間をズルズル延ばさないためのルールです。

受領後の支払いは、「60日以内」が基本の目安として整理されています。



義務④:遅れたら遅延利息



支払いが遅れた場合、遅延利息の問題が出てきます。

これは「払わなかった側が得をする」状態を作らないための仕組みで、支払い遅延そのものがリスクになります。




ここまでを一言でまとめると、委託側がまず整えるべきは

「発注の証拠」+「支払いの期限」+「記録の保存」です。





よくあるNG(従来からあるもの)



次は、現場で起きやすい“やってはいけないこと(NG)”です。

「悪気はないけど、慣習でやっている」が一番怖いので、心当たりがないかチェックしてみてください。




  • 受領拒否:理由なく受け取らない/キャンセル扱いにする

  • 支払遅延:期日までに払わない

  • 減額:あとから一方的に値引きする

  • 返品:受け取った後で一方的に返す

  • 買いたたき:相場や事情から見て著しく低い価格で押し切る

  • 購入・利用強制:特定の物品・サービスを買わせる、使わせる

  • 報復:申告や相談を理由に不利益な扱いをする

  • 不当なやり直しの要求:理由や範囲が不合理な追加作業を押し付ける




こうしたNGは、単に法律面のリスクだけでなく、

人が離れる・品質が落ちる・結果的にコストが上がるという形で、経営にも跳ね返ります。





2026年から特に注意:新しく強まった2点



取適法で、特に実務インパクトが大きいのが次の2点です。

ここを押さえるだけでも、揉めごとの確率がかなり下がります。



(A) “話し合わずに価格を決める”のが明確にNGへ



「代金はこれで」と一方的に決め、相手の説明や相談に取り合わない。

こうした協議に応じない形の価格決定は、リスクが高くなります。



ここで大事なのは、「値上げに必ず応じろ」という話ではありません。

ポイントは、“結論”より“プロセス”です。



  • 相手の根拠(材料費・工数・燃料など)を聞く

  • こちらの事情(予算、販売価格、数量、納期など)も説明する

  • 合意までのやり取りを、メールやチャットで残す



「協議した形」を作るだけで、あとからの誤解や感情的な対立を減らせます。



(B) 手形払い等が禁止(支払い手段の再点検が必須)



手形払いは、受け取る側にとって現金化まで時間がかかり、資金繰りを圧迫しやすい支払い方法です。

取適法では、こうした支払い手段について見直しが強く求められる方向になっています。



さらに、手形以外でも「期日までに満額を受け取りにくい仕組み」は問題になり得ます。

経理の“慣習”で回している会社ほど、早めの棚卸しが安全です。





受託側(受注側)がやると良い“守り方”



ここまで委託側目線で整理しましたが、現場では受託側が“守り方”を知っているだけで、
トラブルの芽を早めに摘めます。

受託側が実務で効くのは、次の3つです。



守り方①:「口約束」を減らし、文章で残す



仕様追加・やり直し・検収条件など、揉めやすいところほど、文章(メールやチャット)で残すことが重要です。

立派な契約書より、日々のやり取りが“証拠”になります。



守り方②:価格相談は“根拠”をセットで出す



値上げ相談は感情でぶつけると、相手も身構えます。

たとえば次のように、根拠を短く整理するだけで交渉の通りがよくなります。



  • 材料費が上がった(仕入れ単価の変化)

  • 人件費が上がった(必要工数、稼働時間)

  • 燃料・輸送費が上がった(燃料価格、配送条件)

  • 外注費が上がった(協力会社の単価改定)



根拠があると、委託側も社内説明がしやすくなり、協議が前に進みやすいです。



守り方③:「協議した事実」が残る形で進める



たとえば、電話で話したあとに「本日の内容まとめです」とメールで送るだけでも効果があります。

“協議をした”ことが残れば、あとからの認識違いが減り、双方が守られます。




委託側にとっても受託側にとっても、結局は「文章で残す」「根拠を示す」「合意を確認する」が最強のトラブル予防です。





まとめ+要約



  • 委託側の基本は「発注内容の明示」「記録の保存」「支払期日の設定」「支払い遅延をしない」

  • 2026年対応で特に重要なのは「価格を話し合わずに決めない」「支払い手段(手形等)を見直す」

  • 受託側は“口約束を減らす”“根拠を添える”“合意を文章で確認する”で守りやすくなる





FAQ(3問)



Q1. 値上げ要請が来たら必ず応じる必要がありますか?



「必ず値上げに応じる」という意味ではありません。

大切なのは、相手の説明や相談を無視して一方的に決める形にならないことです。

根拠を聞き、こちらの事情も伝え、合意までのやり取りを残す――この“協議の形”が重要です。



Q2. 支払サイトが長い慣習ですが、すぐ変えないといけませんか?



すぐに全面変更が難しいケースもありますが、まずは現状を棚卸しするのが第一歩です。

手形や、満額の受け取りが遅れやすい仕組みが混ざっているなら、優先度を上げて移行計画を検討すると安全です。



Q3. 発注書がなくても請求書があれば足りますか?



請求書は「請求」ですが、発注内容の明示は「発注時点」での整理が重要です。

立派な書面でなくても、メールで「仕様・納期・金額・検収・支払日」を確認できれば実務上かなり強い防波堤になります。






記事・相談担当者:井浪(いなみ):Amazon/Kindle 著者ページ

photo

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

iine
twitterfacebook_splinefacebook_sp
contact

Contact

私たちは、今日も笑顔で
お客様とのご縁をつなぎます。

ご質問やご相談など、
お気軽にお問い合わせ下さい。

電話でのお問い合わせtel0586-85-5138[受付時間]9:00〜17:00(平日)

メールでのお問い合わせ

LINEでのお問い合わせ