1. SCS評価制度は中小企業にも関係ある?サプライチェーンから外されないために今知るべきこと

ブログ2026.06.09

SCS評価制度は中小企業にも関係ある?サプライチェーンから外されないために今知るべきこと

SCS評価制度は中小企業にも関係ある?サプライチェーンから外されないために今知るべきこと




SCS評価制度は中小企業にも関係ある?サプライチェーンから外されないために今知るべきこと





「うちは大企業じゃないから関係ない」

「セキュリティ評価制度なんて、IT企業だけの話でしょう」



そう思っている中小企業の経営者や担当者は、少なくありません。



しかし、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度、いわゆるSCS評価制度は、特定の大企業だけを対象にした話ではありません。



経済産業省の説明では、この制度はサプライチェーンを構成する企業等を対象とし、業種や事業規模を問わず幅広い事業者が対象になり得るとされています。



つまり、製造業、建設業、物流、卸売、IT、士業、外注先、協力会社など、取引先から仕事を受けている企業すべてに関係する可能性があるということです。









1. SCS評価制度とは何か



SCS評価制度は、簡単に言えば、企業のセキュリティ対策状況を共通の基準で見えるようにする仕組みです。



経済産業省と内閣官房国家サイバー統括室は、サプライチェーン全体のセキュリティ水準を高めるため、企業ごとの対策状況を可視化する制度としてSCS評価制度の検討を進め、2026年3月27日に制度構築方針を公表しています。



ポイントは、単なる「認証マーク」ではないことです。



この制度は、取引先同士の関係の中で、




この仕事を任せるなら、最低限このくらいのセキュリティ対策はしておいてほしい




という基準を分かりやすくするためのものです。





2. なぜ中小企業にも関係するのか



大企業は、自社だけを守ればよい時代ではなくなっています。



たとえば、大企業の本体システムが強固でも、外注先、協力会社、委託先のパソコンやメールアカウントが侵害されれば、そこを入口に攻撃される可能性があります。



攻撃者は、守りの固い会社を正面から攻めるより、守りが弱い関連会社や取引先を狙うことがあります。



つまり、中小企業が狙われる理由は、

「小さいから価値がない」ではなく、

大きな取引先につながる入口になり得るからです。



SCS評価制度では、委託元が委託先に対して適切な段階、つまり★を提示し、対策を促し、実施状況を確認することが想定されています。



これは、今後の取引条件の中で「セキュリティ対策を説明できるか」が問われやすくなる、ということです。





3. 「今は関係ない」が危ない理由



多くの会社で、セキュリティ対策は後回しになりがちです。



売上、採用、資金繰り、現場対応。

日々の経営課題の方が目の前にあるからです。



しかし、サイバー攻撃は会社の都合を待ってくれません。



警察庁の資料では、令和7年上半期のランサムウェア被害報告件数は116件で、半期として令和4年下半期と並び最多となっています。



ランサムウェアとは、会社のデータを暗号化したり、盗み出したりして、復旧や公開停止のために金銭を要求する攻撃です。



一度被害に遭うと、業務停止、納期遅延、取引先への説明、信用低下、復旧費用など、経営に大きな影響が出ます。





4. ランサムウェア被害はすでに身近な問題



「うちは狙われるほど大きくない」



この考え方は、今では危険です。



大阪府警が公表している警察庁資料の紹介では、令和7年上半期のランサムウェア被害について、中小企業の被害も半期で77件と過去最多とされています。



これは、中小企業がすでに攻撃対象になっていることを示しています。



しかも、攻撃者は必ずしも高度な技術で正面突破してくるわけではありません。



よくある入口は、次のようなものです。




  • 古いVPN機器

  • 使い回しのパスワード

  • 退職者アカウントの放置

  • バックアップの未整備

  • 不審メールを開いてしまうこと

  • セキュリティ更新の放置



どれも、特別な会社だけに起きる話ではありません。





5. 今から確認しておきたいこと



SCS評価制度が本格的に始まってから慌てるより、今のうちに自社の状況を確認しておく方が安全です。



最初にやるべきことは、高額なセキュリティ製品を買うことではありません。



経済産業省のFAQでも、SCS評価制度の評価基準を達成するために、特定のセキュリティ対策製品の導入を求めるものではないと説明されています。



まず大切なのは、以下を見える化することです。




  • どのパソコンを誰が使っているか

  • 重要データがどこにあるか

  • バックアップを取っているか

  • パスワード管理ができているか

  • 退職者や外部委託先のアカウントが残っていないか

  • 取引先からセキュリティ確認を求められたときに答えられるか



これは難しい専門用語の話ではありません。

会社を守るための「棚卸し」です。





まとめ



SCS評価制度は、大企業だけの制度ではありません。



サプライチェーンに関わる企業であれば、中小企業や零細企業であっても、取引先からセキュリティ対策の説明を求められる可能性があります。



ランサムウェア被害も増えており、「うちは関係ない」と考えること自体がリスクになりつつあります。



今からやるべきことは、完璧な対策ではありません。



まずは、自社の状況を知ること。

そして、取引先に説明できる状態に近づけることです。



それが、これからの取引を守る第一歩になります。





FAQ




Q1. SCS評価制度は中小企業にも関係ありますか?


はい。経済産業省は、業種や事業規模を問わず幅広い事業者が対象になり得ると説明しています。取引先から確認を求められる可能性があります。





Q2. すぐに★を取得しないと取引停止になりますか?


制度そのものは任意制度とされています。ただし、取引契約の中でどのように扱うかは企業間で決められるため、今後、取引先から対策状況の説明を求められる可能性があります。





Q3. まず何から始めればよいですか?


最初は、パソコン、アカウント、重要データ、バックアップ、パスワード管理の確認から始めるのがおすすめです。高額な製品導入より、現状把握が先です。








記事・相談担当者:井浪(いなみ):Amazon/Kindle 著者ページ

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