1. BCPや事業継続力強化計画が策定されにくい本当の理由とは?

ブログ2026.05.25

BCPや事業継続力強化計画が策定されにくい本当の理由とは?

BCPや事業継続力強化計画が策定されにくい本当の理由とは?


BCPや事業継続力強化計画が策定されにくい本当の理由とは?




はじめに


「災害への備えは必要だと分かっている。でも、今は目の前の仕事で手いっぱい」



中小企業の経営者や個人事業主、フリーランスの方にとって、BCPや事業継続力強化計画は、どこか“余裕のある会社が取り組むもの”に見えがちです。



けれど実際には、災害や事故、感染症、取引先の停止、システム障害、代表者の急病など、事業が止まるリスクはどの事業者にもあります。



中小企業庁の2025年版中小企業白書でも、BCP策定は重要とされている一方、中小企業では大企業に比べて策定率に差があることが示されています。



では、なぜ必要だと分かっていても、策定が進みにくいのでしょうか。



この記事では、まずその“本当の理由”を整理していきます。







1. BCPとジギョケイは何が違うのか



BCPとは「事業継続計画」のことです。



簡単にいうと、災害や事故などが起きても、重要な仕事を止めないため、または早く再開するための計画です。



一方、事業継続力強化計画、いわゆる「ジギョケイ」は、中小企業が防災・減災の事前対策をまとめ、国の認定を受けられる制度です。中小企業庁は、事業継続力強化計画を「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけています。



つまり、ざっくり言えば、



BCPは「事業を止めないための全体計画」

ジギョケイは「中小企業でも始めやすい防災・減災の認定計画」



と考えると分かりやすいです。





2. 策定が進まない一番の理由



BCPやジギョケイが進まない理由は、「やる気がないから」ではありません。



多くの場合、原因はもっと現実的です。



中小企業白書では、BCPを策定していない理由として、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」「策定する人材を確保できない」といったリソース不足に関する回答割合が高いことが示されています。



つまり、多くの経営者はこう感じています。



「何を書けばいいのか分からない」

「誰に任せればいいのか分からない」

「本業だけで手いっぱい」

「作っても使えるのか分からない」



これはとても自然な感覚です。



特に小規模事業者や個人事業主の場合、営業、経理、現場対応、採用、顧客対応を少人数で回しています。その中で、緊急性が見えにくいBCPが後回しになるのは、ある意味当然です。





3. 「必要性を感じない」が起きる背景



BCPが策定されにくいもう一つの理由は、「今、困っていない」ことです。



人は、目の前で起きていないリスクを低く見積もりやすいものです。



たとえば、こんな考えが出てきます。



「うちは小さい会社だから関係ない」

「災害が来たら、そのとき考えればいい」

「保険に入っているから大丈夫」

「パソコンとスマホがあれば何とかなる」



しかし実際には、小さな事業ほど一度止まったときの影響が大きくなります。



代表者が動けない。

仕入先が止まる。

データが消える。

店舗が使えない。

従業員と連絡が取れない。

納期に間に合わない。



このようなことが一つ起きるだけで、売上だけでなく、信用にも影響します。





4. 小さな会社ほど後回しにしやすい理由



中小企業や個人事業主にとって、BCPは「大切だけれど、今日の売上には直結しにくいもの」に見えます。



だからこそ後回しになります。



しかし、この見方を少し変える必要があります。



BCPやジギョケイは、単なる災害対策ではありません。



自社の仕事の流れを見直すことでもあります。



どの業務が止まると困るのか。

誰がいないと回らないのか。

どの取引先に依存しているのか。

どのデータがなくなると困るのか。

最低限、何を守れば事業を続けられるのか。



これを整理するだけでも、普段の経営判断がしやすくなります。



中小企業白書では、BCP策定の取組を、災害対策だけでなく、顧客の信頼獲得、コスト削減、生産効率向上、人材確保など、平時の事業強化につなげている事例も紹介されています。



つまり、BCPは「もしもの備え」であると同時に、「普段の経営を強くする道具」でもあるのです。





まとめ+要約



BCPや事業継続力強化計画が策定されにくい理由は、経営者の意識が低いからではありません。



多くの場合、原因は「時間がない」「人がいない」「知識がない」「必要性が見えにくい」という現実的な壁です。



しかし、事業が止まるリスクは、会社の規模に関係なく存在します。



まずは完璧な計画を作ろうとするのではなく、「自社が止まったら何が困るのか」を書き出すことから始めるだけでも、大きな一歩になります。





FAQ




Q1. BCPは大企業だけが作るものですか?


いいえ。中小企業、個人事業主、フリーランスにも関係があります。むしろ小さな事業ほど、代表者や一部の取引先に依存しやすいため、備えが重要です。





Q2. ジギョケイとは何ですか?


事業継続力強化計画の略称です。中小企業が災害などに備えるための計画を作り、国の認定を受けられる制度です。





Q3. 最初から本格的なBCPを作る必要がありますか?


必ずしもそうではありません。まずは事業継続力強化計画から始め、自社のリスクや対応策を整理する方法もあります。





記事・相談担当者:井浪(いなみ):Amazon/Kindle 著者ページ

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